ひつじと四重奏

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劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦を見た


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私が烏野高校の日向翔陽くんに出会ったのは、十年以上前。私が高校生の頃だった。
実に楽しそうにバレーボールに励むバレー初心者の彼を、部活に入らなかった私は眩しい存在として追っていた。

 

影山くんというセッターと出会い、スタミナとジャンプ力を武器に高校バレーの舞台を歩き始めた彼は、みるみるうちに周囲に認知されていった。
しかしそこにはもちろん、挫折もあった。

 

強豪校のブロックにボールを防がれ、対策をされて、まったく歯が立たないことも何度もあった。たくさんの敗北を味わった。
しかしその度に彼とチームメイトは進化を続けた。

 

今や烏野の武器となったシンクロ攻撃や、リベロのトス、月島くんを要としたブロック、そして影山くんと日向くんの新たな攻撃「止まるトス」は、強豪校との合宿や練習試合で磨かれた。

 

そんな彼らの青春がギュッと詰まった春の高校生バレー全国大会で、ついに宿敵音駒高校との「もう一回がない試合」は執り行われる。

 

音駒高校とは、烏野がまだ落ちた強豪と呼ばれていなかったころ、烏野とよく練習試合を行っていた東京のチームである。
数々の練習試合のなかでいつしかギャラリーは公式戦での対戦を夢見て、二校が公式戦で一矢まみえることをどちらも学校名からゴミ捨て場を漁っていそうだということで、「ゴミ捨て場の決戦」と呼ぶようになった。

 

しかし、全国大会での試合は叶わぬまま当時の監督は引退し、烏野は「落ちた強豪、飛べないカラス」と呼ばれるようになっていってしまったのだ。

 

今回は、落ちた強豪と呼ばれた烏野がついに全国大会への切符を手にし、めでたく叶った両チーム念願の「ゴミ捨て場の決戦」を見て感じたことを書いていこうと思う。

 

※※オタクです※※

※※ネタバレありかも。鑑賞予定のオタクは見ないで下さい※※

 

序盤、烏野がここに立つまでの長い道のり、そして音駒と歩んできた奇跡を振り返るシーンではすでにじんわり泣いていた。
というか、最初から最後までじんわり涙していたと言っても過言ではない。

隣からもすすり泣く声が聞こえていて、外気温で冷え切っていた体は興奮が抑えられずぽかぽかしていた。

 

「ただ少しだけこの試合を楽しみにしてる人間が多いだけだ」とは試合前に発せられた猫又監督の言葉だが、このスクリーンにいる人、公開から映画を見に来た数え切れないほどの多くの人が、その人間の中に入っているのだと実感した。
漫画では感じられなかったことだった。


隣の人も後ろの人も前の人も、みんなみんな同じように烏野を見守り、音駒との試合を待ち望んできた。そんな不思議な連帯感が生まれた。

 

見所はなんと言っても、よき友達であり互いを高め合えるライバルである孤爪くんと日向くんの心理的なやりとりだろう。
幼なじみで音駒高校主将の黒尾くんにバレーを教わり今まで続けてきた孤爪くんが、初めてバレーに好意的な言葉を発した試合終盤のあのシーンは必見である。


出会ったとき、バレーに対して熱さを見せない孤爪くんに対して立てた挑戦を、日向くんはあの頃より何倍も強く大きくなって果たしに来たのだ。
それが、間の出来事すべてを知っている私たちの胸を大きく打った。

 

所々で差し込まれる孤爪くんと黒尾くんの幼い日のシーンもまた涙を誘う。
孤爪くんはきっと一人ではこの舞台にやってこなかった。
黒尾くんが熱心に誘ったあの頃の出来事が今この舞台を私たちに見せてくれていると言ってもいい。

 

それから個人的に、日向くんと孤爪くんのことを扱うときに、リアルネコとリアルカラスがビジュアルとして使われるのが大好きだ。

様子を伺いがちな孤爪くんと、果敢に攻めていく日向くんの性格が表れているような気がする。かわいいね。

 

烏野のエース、三年生の東峰くんがガンガン攻撃を打ち込み点をとっていくところも熱い。
彼は日向くんが入部した頃、他校の鉄壁ブロックに尽く捕まり、自信を失ってコートに立つことができなかった。
それを乗り越えて今の彼がある。

 

そして、烏野ブロックの要、月島くんのブロックの師匠は音駒の黒尾くんである。
音駒高校、梟谷学園、生川高校、森然高校、そして烏野高校で行った合同合宿で彼は梟谷の主将、副部長、そして音駒の黒尾くんと練習後の自主練をみっちりとやり、部活としてバレーをやる楽しさを教わった。
今のクールな中に情熱を隠した月島くんへ導いた先輩との真剣勝負。
いや、面白くないわけがないと思いませんか。


音駒のエース山本くんの妹、山本あかねちゃんが作中で「コートの中に面白くない人は居ないの!」というが、本当にそうである。

 

そして同時に、合同合宿は月島くんが幼なじみでありチームメイトの山口くんに一目置いた出来事でもある。
いつも弱くて後ろにいると思っていた幼なじみが、自分よりも格好良く熱い男だと気が付いた。
そして、山口くんはゴミ捨て場の決戦でピンチサーバーとしてずっと練習していたジャンプフローターサーブ(回転をかけてうつサーブ)で試合中一本目のサービスエースを炸裂させる。


うわーーーーー、黒尾くんとの出来事を思い出してたら今度は山口くんとのやつきた本当忙しい全部めちゃくちゃ感動するし泣きそう……観戦中の私の心はぐちゃぐちゃである。

 

 

***


本当に長くなっちゃいそうだし、ただの感想になってしまうのでこの辺で。
初見の人への見所の参考に少しでもなれば嬉しいな。
本当に全員に独自の繋がりがあり、人生があり、重みがある作品で面白いので時間が許すなら映画までにアニメでも漫画でもキャラブックでもいいので少しでも情報を入れてゴミ捨て場の決戦に挑んでほしい。

 

果たして試合を制するのはどちらなのか。

バレーの試合観戦に行くように楽しめる映画だった!