↓前回
翌日、目を覚ましてからホテルでバイキングを食べた。根菜カレーと唐揚げが美味しい。
外宮へ向かうと、参道にお土産屋さんがあって早速買い込んだ。母は、すごく悩みながら大勢のお土産を買っていた。私は自宅の分だけなので気軽なものである。
外宮は入り口に立派な鳥居があり、気持ちがなんだか正せたような気がした。由緒ある社を見ながらそれぞれに賽銭を投げた。
ここで、御朱印帳を忘れるという痛恨のミスに気が付き、折角なので伊勢神宮外宮で御朱印帳を調達した。
鳥居の入り口に整備された池があり、それを見ながら絵を描いたり神聖な空気を目一杯楽しんだ。
車で移動して内宮へ。
ご神木の一部を買い取り、加工してアクセサリーにしているという露店に目を奪われ、妹と母と自分用に購入した。
店主の娘さんが制作されているらしく、選んでいる間もずっと制作秘話を聞かせてくれていた。
愛着があるのだろうな、大事にしよう。
赤福本店に入り、座敷で赤福と緑茶をいただいた。川を眺めながらできたての赤福を贅沢に食べて幸せを感じていた。
内宮は緑がたっぷり植わっていて天気もよかったので木漏れ日が美しかった。
内宮の入り口にある橋は、人の世界と神様の世界の境界になっていて、少し緊張しながら大きな川を渡った。
そして食べ歩きは続く。
松坂牛の寿司、二度目の赤福(母は夏季限定の赤福氷を食べていた)、松坂牛串、コロッケ、へんば餅、伊勢うどん、そして母はきゅうりとちょこちょこと食べた。
どれもすごく美味しかった。
伊勢うどんは人気店に入ったのだけど、後日また伊勢に行った母によるとやはり人気なだけあってあの店は特別美味しかったみたいだ。
へんば餅は馬でやってきた参拝者がここで馬を返すからへんば餅という名前になったらしい。由来を聞くと紐付けて名前をずっと覚えていられるからいい。
現地では売り切れで食べられなかったけど、おみやげにひりょうずも買って帰った。
大きくごろごろ具材が入った練り物。中央にはうずらのたまごが入っていた。
大好きになって、後日また伊勢に行った母に買ってきてもらったくらい。
夕方、名残惜しく感じながら車に戻った。
この旅行が終わったら、私は母の娘であるよりも夫の妻である時間の方が多くなってしまうんだな。そう思ったら切なくて、さみしくなってしまった。
帰りのサービスエリアでも松阪牛の野菜炒め定食を母と半分こして食べた。
家へ帰ると帰りを待ちわびていた夫(当時は婚約者)がにこにこ出迎えてくれた。
慣れ親しんだものが置いてある新しい我が家。
母と旅行ができてよかった。あれから一年たった今、素直にそう思う。