前回↓
真珠島から車を走らせて、伊勢シーパラダイスへ。
運転している母の隣でGoogleマップを見ながら道案内をして車を止めるとどうしてもゴマちゃんタッチに参加したくて、チケット窓口から海獣エリアまで一目散に向かった。
伊勢シーパラダイスでは、次々に海の生き物と触れ合えるイベントが開催されていて、ゴマちゃんタッチの後も他の生き物を見る暇がないほどだった。
どのイベントも開始時、終了時ともに緩くてもう一回並んで何度もループしたりできた。かなり最高。
ゴマちゃんタッチではゴマフアザラシと触れ合うことができる。
ご褒美に魚をもらえるゴマちゃんたちは、口からだらだら涎が垂れていて、むちむちで眠そうで、可愛さしかなかった。
乾いた毛が少し硬くて幸せ。五回くらい触った。
その後すぐ、トドのご飯タイムがあった。四頭家族のトドが仲良く同じ水槽で暮らしていて、ご飯の時はなんと水槽の外に出てきてくれた。
ガラスも金網もない場所に、大きな体のトドがいるのは興奮した。
「べーっ」と舌を出すのが得意らしく、何度も披露してくれてかわいい。
お兄ちゃんのJJくんが、水槽にへばりついてどれくらい体が大きいかを見せてくれた。
飼育員のお姉さんの身長を優に越える巨体。
お父さんもかなり大きかった。
その後は、アシカショー。
二頭のアシカと二人のお姉さんが、警察学校の優等生と問題児の役に扮し、劇を披露してくれた。
お決まりの、「ここに来たら教えてね!」という下りがあって、童心に帰って参加した。
本当に賢いなぁアシカって。
その後また海獣ゾーンに戻った私たちは、ボールを壁突きして一人遊びをしているイルカを見付けた。
びっくり、イルカが触れそうな距離にいる。
イルカプールでは自由に遊べるようにボールが浮かべてあって、来場者がイルカとキャッチボールをすることができるようになっていた。
水族館のイルカといえば大きな水槽の中にいて、人間と触れ合ったりしないのが定説である。伊勢シーパラダイスはすごい。
プールには常連なのか、やたらとイルカに気に入られているキャッチボールが上手いおじさんがいて、イルカは何度もそのおじさんの元へボールを運んでいた。
そうしているうちに次はセイウチの時間。
大きなセイウチが海獣ゾーンの広場に出てきて投げキッスをしたり、「大きな栗の木下で」を踊ったりしていた。
さらに、触って記念撮影まで。
初めて触ったセイウチは、大きくて冷たくてムチムチしていた。お尻には細かい毛があった。
ひげは、固ゆでのパスタみたいだった。
出てきてくれたセイウチは、おなかに赤ちゃんがいるらしくみんな優しく触っていた。
一緒に記念撮影をしていると、どさくさに紛れてゴマちゃんタッチがなぜか再開されて、また触った。ここは楽園か?
その後最後の体験、ツメナシカワウソとの握手に参加した。
小さなコツメカワウソとは違い、ツメナシカワウソは大きかった。
爪がない手のひらはむにむにしていて気持ちよかった。
ちょっとワルそうな食べ方は、コツメカワウソと同じだった。
全ての体験を終えてやっと館内をゆっくり回ることができた。
コツメカワウソやペンギン、ドクターフィッシュなどたくさんの魚や動物が飼育されていて、私は展示ケースからお家へ帰るペンギンの後進について行ったりコツメカワウソを見つめ続けたり思い思いに楽しんだ。
伊勢シーパラダイスには順序らしい順序はなさそうなので見たいように見られて最高だった。
お伊勢参りでは、外宮内宮の前に夫婦岩に行くのが正しいルートらしい。
水飛沫が激しくて、母と私は叫びながら進んだ。スカートの裾が濡れた。
母は夫婦岩の前で、結婚していく娘の幸せを願ってくれたのだと思う。
私は神に願うときはいつも同じことを願うと決めているので、今回も同じことをお願いした。
「万事なんかいい感じにしてください」
夜、車で伊勢市に向かい一度ホテルにチェックインして、夕飯へ繰り出す。
「ビゴリとワイン」というボロネーゼ専門店へ行った。
かまくらと名付けられたチーズがたっぷりかかったボロネーゼを食べた。
生麺で、もちもちしていた。大ボリュームである。
満腹になって、外宮の参道をちょっと散策した。
お店はほとんど閉まっていたけど、夜にしか味わえない雰囲気の中、母と二人で歩いたことを私は忘れないと思う。
ホテルは急遽とったので、母と二人仲良くダブルベッドで眠ることになった。
大浴場で体をほぐしてベッドに横になり、私の前撮りの写真を見てもらった。
母は満足そうに、すべての写真に目を通していた。
お伊勢参り編へ続く