ひつじと四重奏

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「あいてください」

ここ二年くらいの間に、歯医者の定期検診にちゃんと行くようになった。
夫との生活をきっかけに新しい町に引っ越したことで、綺麗で通いやすい歯医者を見つけたからだ。


生まれてこの方虫歯になったことがない私の歯たち。通い始めてからも特に異常なく、表面を磨いてもらったり水圧で汚れを取ってもらったりする程度の作業を受けているのだが、今日気がついたことがある。


担当してくれている歯科衛生士さんが、口を開けてほしい時に「開いてください」と言ってくるのだ。

「開けてください」「ひらいてください」ではなく、「あいてください」だ。

私の口を、まるでSiriが搭載されたドアか窓かのように扱ってくる。


歯科衛生士さんの言葉に反応して、Siriである私は、この人は口が開くことを願っているのだなと察して素直に口を大きく開く。そして掃除の続きをしていただくのだ。歯科衛生士さんの言葉遣いに気が付いてからこのやりとりが面白くてたまらなかった。


仕事の対象物に、心があるかのように感じる職業病のようなものはあると思う。例えば私もPCの動作が重いときに「機嫌が悪いみたい」と言ったりする。
しかし、「あいてください」は人間を相手にしているのに人間を完全に無視している。

本来は人間に「開けてください」と言った後人間が口を開けるものなのに、まず口に「あいてください」と依頼し、口が応えるために人間を使っている。


施術を受けている時間、私は歯科衛生士さんと口のやりとりをスムーズにするための歯車になっていたのでは?
書きながら、自分でもこんがらかってなんのこっちゃとなってきたが、上手く伝わっただろうか。


これが歯科衛生士さんみんなに共通することなのかわからず、気になるので読者の方も歯医者さんに赴いた際には意識して聞いてみてください。